戻れないイエスタデイ
一日経って、考えれば考えるほど感情は無になっていく。
11月24日、ベストアーティストの生放送の場で、KAT-TUNの田口くんが来年の春をもってグループから脱退とそれに伴い事務所も退所すると発表がありました。
この文面を打っていてもこれ本当だっけ?ってほど現実味がないくらい、起こることを想定していないことでした。いやだって、3回目なんてさすがにあると思わないでしょ。しかもやっと2年経って、レギュラー番組もありこれから10周年ってときだし。
わたしはリアルタイムで番組を見ていなくて、友人とごはんを食べてるときでした。もうそろそろ出番かな~と思ってとりあえず衣装と曲目が知りたくてTwitterを開いたのです。真っ赤なコートを羽織った4人、これ亀ちゃんとたちゃん着られてる感あるよね~この丈のコートは田口くんのためにあるようなものだよね~なんてちょうど話したりして。その直後タイムラインに並んでたのは文章になってないひらがなの羅列だったり嘘でしょとかなんでとかばかりで、すぐには状況をつかめませんでした。
「田口くんが脱退する」
「亀が手を震わしながらコメントしてる」
「たっちゃんの顔がこわばってる」
「ゆっちが泣きそう」
一気に流れてくる情報に感情がついていくはずもなく、心臓の音だけ早くなってた。友人に話していても夢なのかなってくらい現実味がなくて涙も出てこなくて。
それくらい田口くんがKAT-TUNというグループを抜けるという事実は、天地が引っくり返らない限りないと思うようなことだった。
ファンクラブからきた4人のメッセージを読んで、ああそんなに引き返せないところまできてたんだと知ってやっと悲しくなってきた。
悔しい気持ちでいっぱいの亀ちゃん、また自身を叱咤しながらも力強く言葉にするたっちゃん、また悲しみと怒りを交えながらも温かく見送ろうとする中丸。
この感じ、知ってるなって思った。二年前もこんな風にみんなの言葉を受け取ったなって。
でも一人、すごく淡々と辞める旨を綴る田口くん。なんだか知らない人の文章みたいでこわかった。
そう、前の2回と違うのは「こわい」って感情がたくさん溢れだしてきたこと。
事務所からマスコミとファン宛のメッセージの最後のほうに書かれた
「KAT-TUNグループとしての解散は予定しておりませんがー」
え、今回は続けていくって確約はないの???
「今後の活動につきましては、残るメンバーにとって最良の方法を協議し、改めてご報告させて頂きたいと存じます。」
なんだこの後ろ向きなやつは…。前までにはなかった絶望だ。
みんな迷うほどの出来事だったんだ。でもそうだよね、3回目だもん。
ベストアーティストの録画を見てまたこわいと思ったのは3人と1人のもう埋められそうにない溝と温度差。
田口くんは脱退と退所することを報告したあとすごく清々しくすっきりした顔のように思えた。
わたしこの映像を実際にみるまでは、いつもみたいにウソウソカワウソ~って言ってやっぱり考え直しました!っていつもの笑顔で言ってくれないかなあなんて思ってたんだよ。でも映像を見たらそんなこと思う余地もなくなった。
田口くんにこういう面があると少し知ってるつもりだったけど全然知らなかったんだ。アイドルという虚像にこのときまでちゃんと夢を見れていたのだ。
そしてその後の亀ちゃんのコメントは手を震わしながら、でもまっすぐ前を見て、呼吸を整えながら、また謝るんだよ。この謝る亀ちんを何回見てきただろう。でも彼はいつだってこの十字架を背負うことを選ばれざるを得ないと選んできたんだよね…。
神妙な顔で頭を下げる3人と前を向く田口くんは本当にこの前まで笑い合ってた4人なのかな?って、違う人たちを見てるような気分になった。
念願の「Dead or Alive」披露も全然頭に入ってこなかったけど、わたし以上にこの画面に映る子たちは心ここに在らずで、知っている力強いKAT-TUNではなかったのだけはわかった。
そのあとの他のグループとのメドレーで歌った「KISS KISS KISS」もなんだか気持ち悪くて見ていられなかった。溝って目に見えるんだって初めて思った。
悲しいも怒りも通り越して今は田口くんに対して何を考えたらいいのかわからない。まずなんで辞めるのかがわからない。なんでこの10周年を目前としたこのタイミングかわからない。
これからのビジョンを話し合っていく中で、今のファンを置いてグループを抜け事務所まで辞めるに至るくらい田口くんにとって譲れなかったものってなんだろう?
また話してくれたら納得できるのかな。でも亀ちゃんもたっちゃんも中丸も納得できていないことをいちファンが理解できるんだろうか。たぶんできないかもしれないけど田口くんの口からちゃんと聞きたい。
これだけだらだらと文字を打っていてもやっぱり本当なのかわからない。夢だったらよかったのに。なんかこれ前も思ったな。
今、3人は何を思っているんだろう。できることがあるなら無力ながらなんでもしてあげたい。
でももう3人が未来を諦めてしまってたらどうしよう。無理矢理立ち上がってって手を引くことは、できない。
それくらい今回の事実は悲しい。
何があっても力強く導いてくれていた光を昨日のベスアーには見つけられなかった。
http://kashinavi.com/s/lyrics22752.html
また笑顔でこの曲を聞きたいなあ。
やっぱり最終的には好きという気持ち。
でもどうしたらいいか全くわからない。