俺だけが 俺だから

先日、映画『俺俺』を観てきました。
亀ちゃんが33人というよりは個々を33人分感じるのに近い感覚だったかなあ。今までの経験で培ってきたものをフルに出せていたんじゃないかなあって。ド新規のわたしが言うのもなんだけどそう思わせてくれる時間でした。

観る人によって感じ方が違う映画だなあとは思った。自分の中でも、もう一人のわたしがいて何方向からかの感想が生まれたし。目の前に淡々と繰り広げられるものをそのまま受け止めることも。裏の裏までを読み取って想像していくことも。映画を観ている最中、均だけじゃなく観客の中にも俺を増殖させている感じだった。
自分以外は基本的に分かり合えない生き物。例えそれが親だったりずっと一緒に働いている人だったり愛した異性だとしても。ならば自分ならば分かりあえるのか?というわけでもなくて…。
結局増えていった「俺」は全部自分だったのかな。それともやっぱり「他」だったのかなあ。答えは委ねられる形で終わったように思った。
三木監督作品はそれほど多く見てないけど、やっぱり独特の不穏さとか説明されない不気味さとかこの映画でもたくさん散りばめられてて見ていて楽しかったなあ。家電量販店の倉庫にいたパナ亀たんは34人目なのかな(笑)。
不思議に感じた景色も実際にあるのもあるんだよね。非日常は日常の中にたくさん転がっているんだなあ。そういうのもあって増えていく俺と削除されていく俺を見ているとき、フィクションかノンフィクションなのか混じってしまう瞬間があって、その感覚も気持ち悪かった。良い意味でね。
自分以外は、もしかしたら自分が成りえたかもしれない自分。そういうことなのかな。考察するのも難しいね。
最後の最後の均の表情で現実を感じられたのはファンだからかな。良い表情だったなあ…。

エンドロールで流れた「FACE to Face」は今までも何回も聴いていたのに映画を観た後に流れてきたのは別の曲に感じた。不穏さ、切なさ。力強さ。あ、ちゃんと映画の為に作られたタイアップなんだなあって。あと映画館のサラウンドで聴くのは格別だったよ。
最近はKAT-TUN絡みの作品としかほとんど触れてないんだけどね、みんなが出てるから観るきっかけになってよかったなあって作品ばっかり!ドラマに映画に舞台に。恵まれてるなあって凄く思う。
こうやって好きなとこはまだまだ更新され続けているから。次はライブ楽しみだな。

わたしも自身の「個」ってあんまりないんだよね。好きなもので構成されてるから、こうやって触れ続けられる限り幸せだよ。